今回のカンボジア訪問の目的のひとつにあったのが、孤児院の訪問。
ここには100人の子どもたちがいるとのこと。
彼らの暮らしを見て、たくさんのことを思ったのだけど、まだうまく書けない。
トランクに詰められるだけ買った日本のお菓子は、置いて帰るつもりだった。でも、「子どもたちが喜ぶから、ぜひ」と言われ、晩ごはん中に子どもたちひとりひとりに私が直接、手渡すことにした。
ちなみに晩ごはんは、大盛りごはんと炒めた挽き肉をひとにぎりだけ。その日は、ボランティアの方からスイカの差し入れがあったけど、いつもはないとのこと。
花咲じいさんのごとくお菓子をくばると、ひとりひとりすごく純真な笑顔で、ものすごく丁寧に「ありがとう」とお礼を言われ胸が詰まる。これくらいの袋菓子を買うことなんて、なんでもないことなのに…。いつもの買い物で得た100倍以上の“何か”を貰えた。そう感じた。
チャリティでの預かり金もあったので、後日、この子たちにちょっとサプライズなミニイベントをプレゼントすることに。開催は後援者の栁内さんに託して帰りました。栁内さんは、カンボジアでご自身の会社を経営するかたわら、大変な努力をしていくつもの孤児院を支援されている。
プノンペンからこの孤児院までは車で約1時間。
それなのに、この子たちはプノンペンに一度も行ったことがないとのこと。この孤児院の子どもたちは、カンボジア人オーナーの必死の思いとその私財で、なんとか学校には通えているけれど、そこまでがやっとなのだそう。
この子たちは、たまに見るフリーペーパーに載っているプノンペンのレストランやブティックの写真に、いつも目を輝かせているのだと聞いた。私が訪問する少し前には、フリーペーパーで紹介されていたピザの写真を「なに!? いったいこのおいしそうな食べ物は、何?」と食い入るように見ていたとも。
その姿を見て、「ピザくらい、おなかいっぱい食べさせてやりたい…」と己の非力を無念がる後援者に、「では、それは私がプレゼントします」と申し出ました。
100人分のバスをチャーターしてピザ屋さんに行き、おなかいっぱいピザを食べる。ついでにすてきなブティックや本屋さんなど、たくさんのお店を見る、プノンペンへの日帰りツアー。
この子たちには将来の夢がないとのことだけど、それはどんな職業があるのかを知らないから。街でいろんなものを見て、刺激を受け、感性を掘り起こせば、「あんなレストランのオーナーになりたい」とか「こんなすてきな洋服をデザインできる人になりたい」などの夢も広がるかもしれない。そしてこの日のことは、きっと忘れられない思い出になるはず。
この子たちにおいしく食べて、楽しんでもらえるプレゼントができるなんて、最高に幸せなこと!!
“生き金”という言い方があるならば、これ以上のそれがあるだろうか。と、そんなふうに私は本気で思う。